「ー!準備出来たかー?」
「ん、もう少し。・・・・・・・できた!!」
浴衣
今日は瀞霊廷での年に一度の夏祭り。
毎日仕事に追われている死神達にとって唯一の楽しみである。
昨年の夏祭りは任務があって忙しく、死覇装のまま夏祭りを見て回ったのだった。
そして他の女死神達が可愛らしい浴衣を着ているのを見てはそれを羨ましく思っていた。
その思いを口には出さなかったが、そんなの気持ちに気付いた浮竹は
その年のの誕生日に
『来年はこれを着て一緒に行こうな』
と言って浴衣をプレゼントしてくれた。
「ごめんねー・・・遅くなって。浴衣なんてあんまし着たことなくて・・・」
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・十四郎?」
「ん、あぁ・・・」
「どうしたの?ぼーっとしちゃって・・・」
「いや、死覇装じゃないも可愛いと思ってな。似合うぞ、その浴衣」
「あ・・・・・・・ありがと」
褒めてくれるのはすごく嬉しい・・・。
でもどうしてこの男はそんなに恥ずかしい台詞をサラッと口に出来るのだろうか・・・。
まぁ、そんな素直さも十四郎の良いところの一つなのだけれど。
たまに言われた自分まで恥ずかしくなることがある。
わざとなのか天然なのか・・・。
おそらく天然なのだからたちが悪い。
「なに赤くなってるんだ?行くぞー」
+++
「おー・・・賑わってるなー」
辺りには屋台や出店がたくさん並び
浮竹達が着いた時にはすでにそれを楽しむ死神達で賑わっていた。
「あ、ねぇ・・・十四郎。弓親くん浴衣着てるよ?女物の。」
「気にするな。毎年のことだろう」
「毎年なんだ・・・。しかも似合ってるし;;」
「お、京楽も来てるじゃないか」
「本当だー・・・。なんか、浴衣とかってよりもお祭りが似合ってるよね」
「・・・・・・・・・ああ」
その後も出会った隊員と話をしたり出店を楽しみ、あっという間に時間は過ぎていった。
「、もうすぐ花火が上がる時間だぞ」
「あ、本当だ・・・。出店とかみんなに夢中になって忘れてた・・・」
「・・・・出店・・・というかの場合は屋台の喰いモンだろう・・・よくあれだけ食べたなそのうち太るぞ・・・」
「何か言った?」
「・・・別に」
・・・・・・なぜ小声になる。
「そうだ!神社の裏側に小さな高台があるんだ。きっとそこからなら見やすいと思うんだが」
「話そらしたな・・・。じゃあそこに行こう?ここもだんだん人が集まってきたし・・・きっと見づらいと思う」
+++
「うわぁ・・・。凄い!ここなら見やすいね!!」
花火を見るため、浮竹の案内で高台に来た二人。
こんなに良い場所なら他にもここを知ってそうな死神が居そうなのだが
今日は運良く自分たち以外に誰もいなかった。
「な?人も全然いないし、邪魔されないだろ」
・・・・邪魔?あぁ、ゆっくり花火が見られるという事か。
今の浮竹の言葉に少し疑問を感じたものの、そこまで気にもとめずその場に腰を下ろした。
そしてが座ったのを見て浮竹も同じようにその隣に腰を下ろした。
「でも十四郎、よくこんな良い場所知ってたね!もしかして、前の彼女サンとでも見に来た事があるとか?」
「・・・お前なぁ、学生時代からと一緒なのにその前なんてあり得ないだろう・・・・・・・分かって言ってるな?」
「はは。ごめんごめん。ちょっとふざけただけ」
こんな会話もいつもの事。相手の事を理解しているからこそ砕けた話が出来るのだ。
そしてそのふざけた会話が終わるとお互いに目が合い、どちらともなく顔を近づけ軽く唇を合わせる。
「・・・」
「ん?っ・・・きゃ!!!」
口を離し名前を呼ばれた瞬間、浮竹は突然を草むらに押し倒した。
もちろん、が逃げないようにその両手を押さえつけている。
この体制からしてまさか『寝転がりながら花火を見よう』なんて言うわけがない。
何より自分の上にはデカイ男が覆い被さっている。視界にはその男しか写っていない。
花火・・・というか空なんて全く見えない状態だ。
おまけに長い付き合い・・・。嫌でも浮竹が今から何をしようとしているかくらい検討がつく。
「十四郎・・・・・こんな所でしたら浴衣が・・・」
「浴衣が着崩れするからか?また直せば良いだけだろう」
「そうじゃなくって・・・・!!」
押さえられた腕に力を込め、浮竹から体を離そうとするもののビクともしない。
腕が駄目なら足で・・・と思い足を使って抵抗しても
浴衣がはだけて白い足が露わになり、逆に浮竹を喜ばせている。
「せっかく十四郎から貰った浴衣なのに・・・汚れちゃう」
「洗え」
「・・・・・・もし破けたらどうするの!!?」
「なんだ、浴衣が破けるほど激しくしてほしかったのか?それならそうと早く・・・」
「違う〜〜〜〜っ!!」
花火が打ち上がる音はすでに聞こえている。
その音が聞こえるとほぼ同時に辺りがその光に照らされているのだ。
が花火を見たいと言って抵抗しても、浮竹は全然おかまいなしに浴衣に手をかけている。
首、鎖骨、胸・・・慣れた手つきでどんどん浴衣を脱がし口付けしていく浮竹。
そしてさっき露わになった足にも口付けしていく。
「・・・・・俺がやった浴衣だからだ」
「っ・・・・ん、はぁ?」
「俺がこの浴衣をに贈った」
「だから汚したくないってさっきから言ってるじゃな・・・・・」
浮竹はニヤっとイタズラな笑みを浮かべている。
「知ってるか?服ってのはなぁ、贈った男が責任持ってそれを脱がすって決まりなんだぞ」
「んなっ!!?・・・・・なによ・・・それ;;」
「その責任、ちゃんと果さなきゃな」
「っ〜〜〜〜〜〜〜/////」
その後、二人の水音と甘い声が花火にかき消されながらも、静かにその場に響いていた・・・。
END
ナンダロこの微妙な終わらせかた。・・・申し訳ない。
05.7.9 雄斗
そして今年はその浮竹がくれた浴衣を着ていくことにした。
「え、あ・・・・うん!」
えー・・・これ、入院中に考えました。
病院でナニを考えてるんでしょうね私は。
攻めチックな十四郎サンです。
そして小説はここまでですが、私の脳内ではもう二人は合体しています。