わたさない!





わたさない!





俺と京楽、そして・・・・。

俺達三人は仲が良くいつも一緒にいる。

霊術院でも、鬼道の練習をする時も、休みの日でも・・・

本当によく三人でくだらない話をしては笑い合っている。

俺はその時間が好きだ。

京楽はふざけたヤツだが、俺の何よりの親友だし

だって俺達の大事な仲間だ。

けれど最近・・・すごく不安になる時がある。





は俺達の事をどう思っているのだろう。





と俺が出会ったきっかけはほんの些細なこと。

俺が発作で苦しんでいるとき、たまたま近くを通りかかって助けてくれたのがだった。

それからよく話すようになり、いつの間にかは俺達のなかにいた。

勝ち気で、負けず嫌いで・・・。でも弱い部分もあって・・・。

自分では『面倒くさがりだ』とか言っているくせに変なところに熱心で・・・。

それから笑った顔が凄く明るくて・・・。

いつの間にか俺はそんなに惹かれていた。

けれど俺は『三人』の時間を壊したくなかった。

俺の独りよがりな想いを伝えることによって、今の幸せを崩したくなかった。

だから自分の気持ちにフタをして何事もないように輪の中に入っていたんだ。








でも本当は・・・それも もう限界なんだ。








「京楽ったらね、今日も女の子追っかけてたんだよ?懲りないよね〜。」




いつものように他愛もない会話。

しかし今日、京楽は用事があっていない。

だから放課後の稽古はと二人っきりでやっている。

さっきまで一緒に手合わせしていた俺達だったが

今は練習に一段落させ、稽古場に使っている屋敷の縁側に座り休憩している。


・・・京楽には悪いが正直 今、と二人きりでいられるのが凄く嬉しい・・・。



けれど・・・・・・・



「そしたらね、京楽がそのまま女の子にビンタされてさ〜。
    そこにいたみんなに笑われちゃって・・・・」




さっきからは京楽の話ばかりしている。




と話していられるのは楽しいはずなのに・・・・




「・・・・・どうしたの?何か元気ないよ?」




この状況が嬉しいと思っているはずなのに・・・・・




「大丈夫?もしかして体調が悪いとか・・・・」




ただ俺は、三人で一緒にいたいだけなのに・・・・




「ちょっと!!十四郎!聞こえてるの!!?」




どうして今日にかぎって・・・・・・・・・気持ちを抑えられないんだ!!?








は・・・京楽の事が好きなのか・・・!? 」






「 え・・・・?」







俺の突然の質問に、さすがのも驚いている。




「・・・・・そりゃあ好きだよ。女の子に優しいし、楽しいしさ!」




「じゃあ俺は・・・?」


「もちろん!十四郎の事も好きだよ。」



「・・・それは京楽と同じ意味か?」




俺が近寄っていくにつれて自然とは後ずさりしはじめる。

けれど俺は壁に手をあてて、自分と壁との間にをはさみ逃げられないようにした。




「ちょ・・・。な・・・に言ってるの、十四郎?今日何か変だよ?」


「変なんかじゃない。俺は、ずっと前から確かめたかったんだ!!」





なに考えてるんだ・・・・・・。

俺は今、を困らせてるじゃないか。


頭では制御したくても・・・想いが、口が止まらない。

本当は困らせたいわけじゃないのに・・・。

ただの笑った顔を見ていたいだけなのに・・・。




でも・・・・・・・。




「・・・十四郎?」




でも・・・・・・!







「京楽に・・・をとられたくないんだ!!」







「十四郎・・・・・」




の肩を両手で掴んで勢いよく言い放ったはいいが、それから会話が続かない・・・。

ムードとか作るの苦手なんだよ・・・・・・・・。










「・・・・・・私が・・・好きでもない人と、二人きりで稽古なんかすると思う?」






微妙な雰囲気だったが、突然が顔を上げて俺の目を見て話し出した。

近づいていったのは自分だが、これだけ近くにの顔があると緊張する・・・。




それに今のの言葉・・・・・・期待して、良いのだろうか。




「・・・・・それって・・・・」




「私も、十四郎の事が好きだよ・・・。三人でいるようになってからずっと・・・
    私はいつも十四郎の事を見てたんだよ。」




「っ・・・!〜〜!!!!!」




どうしよう・・・本当にすごく嬉しい・・・・。

顔が赤くなりそうだ・・・・っていうかもう赤くなってるだろう・・・。

しかも思わずを抱きしめてしまったし。




「ねぇ、十四郎・・・。私が京楽を好きだって言った理由、教えてあげよっか?」




「え・・・・・面白いヤツだから・・・じゃないのか?」




「それもあるけど・・・・・・。」




「ん?」


もしかして・・・何か別の意味があるのか・・・?




「京楽は・・・十四郎の親友だから・・・。
    私が大好きな十四郎と仲良くしてくれるから!・・・だから私も京楽の事が好きって言ったの。」




・・・今まで、俺はなんて馬鹿な勘違いをしていたのだろうか。

まさかがこんな事を思ってくれていたなんて・・・。

しかも『私の大好きな十四郎・・・』て・・・・・

そんな嬉しい事言われたら、よけいにを俺だけのものにしたくなるじゃないか。








・・・・・絶対に、誰にもお前をわたさないからな!!」






そう言って俺はに口づけした。




さて・・・明日は京楽になんて自慢してやろうか。






END







・・・・こーいう「友達に取られちゃうんじゃないか」っていうネタ好きです。
浮竹さんもいつも子供っぽい感じじゃなくて
たまには焦らせてみようと思いました。
てかある意味、京楽さんが少し可愛そうな役になってるし・・・。
管理人、実は浮竹サン達の学生時代の原作を読んでいません。
だから所々変な部分があるかもしれませんが、ご了承下さい。
読んでくださって有り難うございました。

05.6.11雄斗