交換条件











「十四郎!!ちょっと匿(かくま)って!!」




「はぁ!!?お・・・おい!!」







交換条件







放課後、浮竹が教室で一人で本を読んでいると突然が血相を変えて教室へと入ってきた。







「っ・・・どうしたんだ!?匿えって・・・誰かに追われてるのか!?」


「・・・追われてるっていうか、なんと言いましょか・・・・簡単に言えば隠れんぼ?」







「匿って」などと言うのでてっきり誰かに追われているのかと勘違いした浮竹。

突然の事との慌てようで身構えた浮竹だったが、「隠れんぼ」と聞いて拍子抜けしてしまった。







「・・・・・隠れんぼって・・何でわざわざ何もない教室に隠れるんだ?もっと物陰の多い所に隠れれば良いだろう」







ごもっとも、という浮竹の正論に耳を傾けず
は自分が隠れられそうなスペースを物色している。








「その・・・鬼が京楽なんだ。霊圧探られたら見つかっちゃうからさ…」


「まあ、確かに京楽ともなればの霊圧くらい簡単に探りあてちまうな」


「でしょ?だから私より霊圧の高い人のとこに隠れば紛れちゃうかなーと思って」







そう言いながらは浮竹が本を読んでいる机の下に器用に体を滑り込ませていった。






「お…おいっ!?何で俺の下に隠れるんだ!!?」






が選んだ隠れ場所に顔を赤くする浮竹

というのも、今浮竹が座っているのは簡単に言えば小上がり席。
胡座(あぐら)をかいているため、自分の股付近にの顔がある状態になっている。








好きな女と教室で二人きり(いつ京楽が来るか分からんが)




しかも密着(足だけ)しているからか、かすかにの良い香りがする。



そして机の下から顔だけ出しているため、自然と上目遣い。







………この状況でいつまで我慢していろと?







落ち着け十四郎っ…。ここで理性を失ったら単なるエロ男だ。


せっかくと両想いになれたのに、みすみす信頼を逃すことになるぞ。


というか、の顔がここ(股の間)にある状態でもし理性を失ったら……












確実に変態になるっ。












くそ……京楽が来ないならもっと色々と…









「!………


「…………っ」








頭の中で色々と想像していた浮竹だったが、京楽霊圧が感じたことにより現実に引き戻された。

そして見つからないように霊圧を下げている
浮竹が声をかけた事によって京楽が来たと分かり息を潜めた。







ガラ……







「ん?どうした京楽?」


ちゃん来なかったかい?」







京楽の事だ。目を泳がせたり言葉をつまらせてしまえば簡単に感付かれるだろう。

冷静を装って何も知らぬふりをする浮竹。
こういう時に長年の付き合いというモノは怖くなってしまう。







か?来てないが…霊圧は探ってみたのか?」

「さっきから探ってはいるんだけど…この辺は浮竹の霊圧しか感じなくてねぇ…」






『本当は何か知っているんじゃないか』と言いたそうな口調の京楽。

しかし浮竹はそんな京楽を上手くかわしている。







「……そうか。俺は知らないぞ?それに、もしが来たらとっくに一緒に帰ってるさ」


「それもそうだね……じゃあ浮竹、あと10分でちゃんを見つけないと負けちゃうんだ。もし見かけたら知らせてくれよー!」









「……ああ。状況によっては、な」








京楽は浮竹の返答を最後まで聞かず、教室を後にした。

そして再び教室には浮竹との二人だけとなった。






「…京楽と何か賭けでもしているのか?」


「賭け、っていうか私が勝ったらある物を貰えるの。前々から欲しくて、京楽にお願いしたらこんな事するハメに…」








隠れんぼをする事になった原因は話すだが、肝心の何を貰えるかは決して言おうとしない。








「そうか………なぁ、…俺とも賭けをしないか?」








「は?」






急に何を言い出すのかと思えば、浮竹の口からは賭けなどという予想もしていなかった言葉が出てきた。






「残り10分…もし俺がを京楽から匿いきれたら…」


「匿いきれたら?」









「今日の残り7時間は、俺のモノになってもらうぞ?」









持っていた本を静かに閉じ、机の下にいるの方へと目をやる浮竹。
しかし普段の浮竹とは少し違う笑顔が浮かんでいる。

笑ってはいるのだが、悪戯をたくらんでいる子供の目というか…
何故か、「男の顔」だと思ってしまった。






「って…十四郎に匿ってもらわなきゃ京楽に負けるし、京楽に勝てても十四郎に負けるじゃん!!」






浮竹の発言にしばらく驚いていただったが、何とか我に返り現在の自分が置かれている状況を必死に考える。
しかしそれを浮竹に説明しようにも説明してる自分が混乱してきた。






「なら、この教室以外に隠れ場所探すか?」


「それは………っ;;」









等価ではない交換条件。






成立まで、残り10分。




NEXT/END









続くの?(聞くな)てか浮竹が意地悪クサイ。
いや、正直これはこれで終われると思います…。
(続きっぽいモノは頭の中にはありますが、書いていませんし)
自分の中でも迷っています。だからNEXT/ENDにしました。
この後がどうなったか知りたい!
って思って下さる方が居れば書いてみようと思います。
(いない気がする;;)

06.05.04 雄斗