「う・・・・ん、暑・・・・・」寝苦しい・・・
「・・・・・て、ここ・・あれ?」
今も
「そっか・・・昨日は十四郎のとこに泊まりに来てたんだ・・・」
次の日が非番ということもあって、昨夜から浮竹のところに泊まりに来ていた。
無論、数時間前の情事のため二人ともその体には何もまとっていない。
普段ならあまり途中で目が覚めることなどないのだが、蒸し暑さのせいで目が覚めてしまった。「まだ三時か・・・十四郎もまだ寝てるし・・・もう一回寝ようかな・・・」
時計を見ると時刻はまだ夜中。
一緒の布団で寝ている浮竹の顔を覗き込めば、普段の優しい目は閉じられ静かに寝息をたてている。
ふとはうつ伏せの状態で上半身を少しだけ起こし、頬杖をついて浮竹の髪を触った。「・・・・・・・・綺麗な髪」
白く長い髪はの細い指の間をスゥっと滑り落ちていく。
私の大好きなこの髪が、私の嫌いな病気のせいでなったなんて・・・。
なんか、複雑だな。
学院時代、十四郎は初めて会った人には必ずといって良いほど髪の毛の事を聞かれていた。
そのころから今で言う日番谷隊長のように髪が白い人だっていたし、金色の人もいた。
だから髪が黒以外の色ってことくらいじゃ別に何とも思われはしなかった。
けれど、十四郎が不思議がられた理由ー・・・・。
それは髪と眉毛との色の違い。
私だって、髪が白いということよりも『どうして眉毛と対照的な色をしてるんだろう』とか思っていた。
病弱・・・ということは知っていたけど、まさかその病気のせいでなったとは考えもしなかったし。
むしろ病気のせいと分かっていたなら、初めから誰も聞きはしなかっただろう。
でも十四郎はみんなに聞かれるたびに、嫌な顔一つせず答えていた。
『生まれつきなんだ。変ってるだろ〜』
それも、笑いながら。
恋人同士になってから、初めて十四郎は私に本当のことを話してくれた。
それを知ったときは思わず泣いてしまったけれど、私がこの白い髪を好きという気持ちは変らなかった。
そして何より真実を告げてくれた事が嬉しかった。
卒院して死神になってからも十四郎に対しての質問は絶えず、相変わらず笑いながら答える十四郎の姿があった。
正直私は、その顔を見るのが辛かった。
「んー・・・良い眺めだな」
「ん?・・・・っ!!?」
浮竹の髪を撫でていると眠っているはずの浮竹が目を開けて の胸元を眺めていた。
「また俺の髪の毛見てたのか?よく飽きないな・・・」
「だって・・・十四郎は辛いかもしれないけど、でも私・・・十四郎の髪好きだもん」
がそう言うと一瞬目を見開いた浮竹だが
すぐに目を細めて嬉しそうに優しい笑みを浮かべた。「確かに、ずっと嫌だと思っていた。初めて発作が起きてだんだんと髪の色が変っていって・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・うん」
「やつれた顔・・・白い髪・・・。鏡を見たときは自分が自分じゃないみたいだった・・・」
自分の髪を掴み、それを見つめながら話していた浮竹だったが
その手を離し今度はの目を見て話し始めた。「だけど・・・今こうしてお前に好きと言ってもらえるなら・・・この髪も悪くないと思っている」
「十四郎・・・・・・・・・」
そう、あの日・・・本当の事を告げたときと同じ笑顔で、君は変らず好きと言ってくれる。
の言葉、の存在のおかげで俺の心がどれだけ救われたか・・・。
俺の心を救ってくれた君を護るためなら、俺は何にだって立ち向かってみせる。
そうだな・・・昔は憎くてしかたがなかった、この白い髪にでも誓って。
だって今は、君がこの髪を好きと言ってくれるのだから。
END
ほとんどヒロインの心情でしたね。
近いうちにこれの浮竹バージョンもアップするつもりです。
最後の方で浮竹に言わせた台詞「あの日・・・」のあの日の事です。05.8.8 雄斗